結論:いまの主流は「メインブレーキで調整」一択です。メカニカルブレーキ(スプールテンション)は0セッティング(スプールがカタつかないギリギリ)で固定し、それ以後は触らないのが基本。
実際、メーカーによってはメカニカルブレーキ自体を廃しているモデルも登場しています。
本記事はこの前提で、マグ・遠心・DCを中心に、具体的な詰め方と失敗しないコツをまとめます。
お悩み君ベイトリールのブレーキ調整って難しい・・・。



ブレーキ調整は知識があれば簡単です!!
ブレーキとは?|バックラッシュを防ぐ「減速装置」
ブレーキの役割は、スプール回転を制御して糸フケ(膨らみ)を抑えること。
キャスト中、ルアーの減速とスプール回転のズレで糸が膨らみます。これを抑えるため、メインブレーキを状況に合わせて調整します。
- ブレーキ強め:トラブルが減るが飛距離は落ちがち
- ブレーキ弱め:よく飛ぶがバックラッシュしやすい
最新前提:メカニカルは「0セッティング固定」、調整はメインブレーキで
近年はメカニカルブレーキ=0セッティングが主流です。
やり方は簡単で、スプールを指でつまみ左右に動かしてガタ(カタカタ)が出ないギリギリまでノブを締める→そこで固定。
以降は一切動かさず、調整はメインブレーキのみで行います。なお、メーカーによってはメカニカルキャップを廃した設計のベイトリールもあり、その場合は当然このステップ自体が不要です。
ポイント:0セッティングは“ガタ取り”のための初期基準であり、落下速度や飛距離の調整に使わないのが現代流。飛距離はメインブレーキとキャストスキルで作るのが正解です。
メインブレーキの種類と考え方(マグ/遠心/電子制御)


メインブレーキは主に「マグネット」「遠心」「電子制御(DC等)」の3つがあり、それぞれ以下の特徴があります。
- マグネット:ダイヤル数値を上げる=強くなる。軽量ルアー・向かい風・空気抵抗大の日は強めスタート。
- 遠心:ブロック(シュー)ONにする=強くなる。まず安定寄りの基本構成を作り、1個ずつOFFして詰める。
- DC(電子制御):ライン種や重量に合わせてモード選択+ダイヤルで微調整。推奨より1段階強めから始めると安定。
狙う最終形:軽いサミングで収まる程度に糸フケが出る“攻めの安定”。ゼロ糸フケ固定よりも、「少し攻めてサミングで糸フケを収める」ほうが再現性と飛距離を両立できます。
5分で決まるセットアップ手順(0セッティング前提)
ブレーキセッティングは「風などの現場の状況」+「キャストするルアー」+「タックルセッティング」+「キャストスキル」の4つの要素で変わります。
経験を積むとブレーキの目安が分かるようになりますが、それまでは以下の順でブレーキセッティングを決めていきます。
釣り場に付いたらまずメカニカルブレーキが0セッティングになっているか確認しましょう。
自分では変えていなくても、意外と持ち運び時の振動などでセッティングが変わっている場合があります。
メカニカルブレーキは調整項目から外すことで、現場の作業がシンプルになりミスも減ります。以後の微調整はすべてメインブレーキで行いましょう。
メインブレーキは強めからスタートが鉄則です!!
- マグネット:20段ダイヤルなら15、10段ダイヤルなら8からスタート
- 遠心:全ブロックシューをONの状態からスタート
- 電子制御:モードはお好みで、ダイヤルは最大からスタート
いきなりフルキャストはNG!!まずは7割くらいで余裕を持ったキャストをしてブレーキセッティングを確認しましょう!!
ここでリールの調子、ガイドの通し忘れを確認したり、釣り場の状況を見極めていきます。
STEP3で状況を確認し、ブレーキが強いと感じたらブレーキを1段階下げます。
ブレーキを下げたらキャストし、スプールの糸フケを確認して、さらに下げられそうであればもう1段階ブレーキを下げていきます。
糸フケが出始めるところがブレーキの限界なので、そこで止めるか安定をとって1段階上げるといいでしょう。
キャストするルアーを変えた場合や、釣り場を移動して足場の状況や風向きが変わったらSTEP2からやり直して最適点を探りなおしましょう。
これを繰り返して自分の経験にしていくことで、自分に合ったブレーキセッティングを見つけていきましょう!!
状況別:メインブレーキの目安(0〜10段階マグ想定)
| シーン | ルアー重さ | 風 | ブレーキ目安 |
|---|---|---|---|
| 初心者の練習 | 14g前後 | 無風 | 7〜8 |
| 軽量プラグ | 7〜10g | 無風 | 8〜10 |
| 重め/空気抵抗大 | 20〜40g | 無風 | 5〜7 |
| 向かい風(河川など) | 12〜18g | 向かい風 | 8〜10 |
| 追い風(サーフ遠投) | 普通〜重い | 追い風 | 5〜7 |
| ビッグベイト | 2ozクラス | 弱風〜無風 | 4〜6 |
※表はあくまでスタート目安。現場では1クリック単位で詰めてください。



メインブレーキのセッティングって状況によってこんなに変わるんですね!!



これはあくまで目安です。最後は自分の感覚を信じて決めていきましょう!!
よくある勘違いと正解(0セッティング時代のベストプラクティス)
- 誤:バックラッシュした→メカニカルブレーキを締める
正:0セッティングのままメインを+2〜3段階。それでも暴れるなら、メカニカルブレーキの設定を崩していないか確認。 - 誤:飛ばしたい→メカニカルブレーキを緩める
正:メカニカルブレーキは触らない。飛距離はメインブレーキを-1ずつ弱め、糸フケが出始めたら+1に戻してギリを探る。 - 誤:毎回ルアーに合わせてメカニカルブレーキを調整
正:メカニカルブレーキは固定。ルアーや風にはメインブレーキで対応。



こう見るとメカニカルブレーキって必要ないのでは?



スプールの個体差に対応するために必要なブレーキではありますよ!!
トラブル時のクイックフロー(0セッティング固定)
- 着水前にボワッと膨らむ:メインブレーキ+2段階→まだ出るなら+1。サミングを早めに当てる。
- 初速で暴れる:まずはメインブレーキ+1。0セッティングを崩していないかだけメカニカルを“触らずスプールをゆらして確認”。
- 全然飛ばない:メインブレーキを-1ずつ弱め、糸フケ出始めたら+1に戻す。
- スプール交換/メンテ後だけ例外:0セッティングがズレた恐れがあるときのみ、再度0セッティングを確認→以後固定。
練習メニュー|ベイトラボ式「上達の近道」
- 同一条件で詰める:同じルアー・同じ方向で、メインを1クリックずつ弱めながら限界点を体感。
- 風が変わったら即ダイヤル:向かい風化したら+1〜2、追い風なら-1を試す。
- サミングの質を上げる:キャスト直後に指先を軽く触れ、着水直前はしっかり止める。これで“攻めの安定”が作れる。
まとめ|いまは「0セッティング固定+メインで詰める」が正解
- メカニカルブレーキは0セッティングで固定(スプールガタ取りのみ/以後は触らない)。
- 調整はメインブレーキ中心(マグ/遠心/DC)。
- 強めスタート→1クリックずつ弱めるで最適点へ。
- 狙いは「軽いサミングで収まる糸フケ」という攻めの安定。
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