・釣りが終わった後の水洗いってどうすればいいの?
・ベイトリールって本当にメンテナンスしないといけないの?
・お湯で洗ったり、ドブ漬け洗いをするのはダメなの?
・リールを長持ちさせる正しい洗い方を教えて!
こんな疑問や不安を、ベイトリール専門サイトがスパッと解決します!
こんにちわ!ベイトラボ管理人のKIYO(@BaitOcean)です。
せっかく手に入れたお気に入りのベイトリール。長く使い続けるために最も重要なのが、釣行後の「水洗い」です。
しかし、良かれと思ってやっていた洗い方が、逆にリールの寿命を縮めてしまうことをご存知でしょうか?
今回はベイトリールを愛する「ベイトラボ」が、リールを痛めない正しい洗い方と、絶対にやってはいけないNG行動について徹底解説します。
【結論】ベイトリールの正しい洗い方・手順早見表
まずは結論から!ベイトリールを長持ちさせるための理想的なメンテナンスルーティンは以下の通りです。
| ステップ | タイミング | やること・ポイント |
|---|---|---|
| ① 簡易洗浄 | 釣り場(直後) | ペットボトルの水などで、スプールやレベルワインダーの塩分をサッと流す |
| ② シャワー洗浄 | 帰宅後すぐ | ドラグをフルロック(締める)してから、冷水シャワーで約1分間流す |
| ③ 水分拭き取り | 洗浄直後 | タオルで本体・スプール・サイドカップの水分を丁寧に拭き取る |
| ④ 乾燥(重要) | その後~2日 | スプール・サイドカップ・メカニカルキャップを外し、陰干しで完全乾燥させる |
| ⑤ 保管 | 乾燥後 | ドラグを緩めて保管(ドラグ固着防止のため) |
この手順を守るだけで、リールの寿命は飛躍的に伸びます。では、なぜこの手順が必要なのか、具体的な写真付きで解説していきます。
【最重要】ベイトリールを洗う前の「NG行動」3選
正しい洗い方を知る前に、まずは「やってはいけないこと」を押さえておきましょう。これらはリールのグリスを流出させたり、内部の腐食を招く原因になります。
NGその1:お湯(温水)で洗う
「お湯の方が塩が落ちそう」と思いがちですが、これはNGです。
お湯を使うと内部のグリスやオイルが溶け出し、ギアの摩耗を早めてしまいます。必ず手で触れて冷たく感じる「常温の水道水」を使用してください。
NGその2:高圧シャワーやつけ置き洗い(ドブ漬け)
強い水圧や水没は、本来水が入ってはいけないギアボックス内部へ水を侵入させます。
シャワーの水圧は弱めに調整し、優しく洗い流すイメージで行いましょう。
NGその3:ドラグを緩めたまま洗う
ドラグが緩んでいると、ドラグワッシャーの隙間から水が入り込み、ドラグ性能の低下を招きます。
洗う前は必ずスタードラグをきつく締めて(フルロックして)から水をかけましょう。
写真で解説!ベイトリールの正しい洗い方(シャワー洗浄)
※この手順は、メーカーが「シャワー洗浄OK」としているベイトリールを前提にしています。
(最近のダイワ・シマノ等の主要リールはほぼ対応していますが、念のため説明書をご確認ください)


海で使用した場合、帰宅するまでの間に塩分が乾燥して結晶化してしまいます。
これを防ぐため、釣りが終わったらペットボトルの水などでサッと全体を流しておくだけで、塩ガミのリスクを大幅に減らせます。

重要:まずはドラグを締めます。
その後、冷水シャワーを上からかけ流します。様々な角度から合計1分ほど、特に「レベルワインダー」「スプールとボディの隙間」「ハンドルノブ」を重点的に流しましょう。

リールを軽く振って水滴を落とした後、乾いたタオルで表面の水分を拭き取ります。
水分が残っていると水垢の原因になります。

ここが最も重要なポイントです。
表面を拭いただけでは内部に水分が残っています。
スプール、サイドカップ、メカニカルブレーキキャップを取り外し、風通しの良い日陰で最低でも1日~2日乾燥させます。
※注意:スプールを外した状態でハンドルを回さないでください。機種によってはピニオンギアの位置がズレたり、破損の原因になります。

完全に乾いたらパーツを元に戻します。
保管時はドラグを緩めておきましょう。締めっぱなしにするとドラグワッシャーが潰れ、効きが悪くなる原因になります。
村田式「水の中にドボン」は絶対にNG!その理由とは
ベイトリールの洗い方として、一部で有名な「水を張ったバケツにリールを入れ、ハンドルを回す」という方法(通称:ドブ漬け洗い)。
村田基さんが紹介されている方法ですが、現在の主要メーカー製リールでは推奨されていません。
なぜドブ漬け洗いがダメなのか?
理由はシンプルで、「水が入ってはいけない場所まで水が入ってしまうから」です。
特に水圧がかかった状態でハンドルを回すと、本来グリスで守られているギアボックス内部や、ローラークラッチベアリング(ワンウェイクラッチ)の奥深くまで水と塩分が侵入します。
実際に私もこの方法を試した結果、スティーズA TWやALC-BF7などのローラークラッチが錆びてしまい、修理行きとなりました。
メーカーの取扱説明書でも「水没厳禁」と書かれていることが多いため、基本的にはシャワー洗浄だけに留めておきましょう。
初心者でもできる!オイルメンテナンスの基礎

水洗いは毎回必要ですが、注油(オイルメンテ)は「2週間~1か月に1回」程度でOKです。
やりすぎは逆に回転を重くしたり、汚れを呼ぶ原因になるので注意が必要です。
注油すべき基本のポイント(全リール共通)
以下の3点に、リール用オイルを「ほんの1滴」垂らすだけで、驚くほど回転性能が維持できます。
- スプールベアリング:飛距離に直結します。サイドカップを開け、ベアリングの中心に1滴。
- ハンドルノブのベアリング:巻き心地に影響します。ノブの隙間から少量注油します。
- ウォームシャフト(レベルワインダー):ここには「オイル」ではなく「グリス」を薄く塗るのがおすすめです。
【注意】マグシールドには注油禁止!
ダイワの「マグシールド」搭載リールの場合、ピニオン部やラインローラーなどのマグシールドベアリングへの注油は厳禁です。
オイルをさすと磁性流体が流れ出し、防水性能が失われてしまいます。
おすすめメンテナンス用品
メンテナンスには必ず「リール専用」のオイル・グリスを使いましょう。ホームセンターの汎用スプレー(KURE 5-56等)は、プラスチックパーツを傷める可能性があるため推奨しません。
迷ったらこれ!シマノ純正メンテスプレー

オイルとグリスがセットになっており、ノズルも極細。シマノ製ですがダイワや他メーカーのリールに使っても全く問題ありません。初心者はまずこれを買っておけば間違いありません。
保管時のサビ防止に「オーシャンバリアー」
しばらく釣りに行けない時やオフシーズンの保管におすすめなのが、スタジオオーシャンマークの「オーシャンバリアー」です。
密閉容器にリールと一緒に入れておくだけで、気化した防錆成分がリール全体を包み込み、サビから守ってくれます。
まとめ:毎回の水洗いが最強のメンテナンス
ベイトリールのメンテナンスと聞くと難しく感じるかもしれませんが、最も重要なのは「釣行後の正しい水洗いと乾燥」です。
- ドラグを締めて冷水シャワーで洗う
- お湯やドブ漬けはしない
- しっかり陰干しで乾燥させる
これさえ守れば、大切なリールの「ゴリ感」や「シャリ感」を防ぎ、長く快適に使い続けることができます。ぜひ次回の釣行後から実践してみてください!

